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ユニークポイント「トリガー」
認知症の母親の介護のため仕事を辞め妻と別居し、母親の暮らす団地で一緒に暮らし始めた奥山。生活が一変し、精神的に徐々に追い込まれていく。そんな時、階上に暮らす幼馴染みや藤村と名乗る男が現れ奥山のサポートを始める。しかしそんな生活も長く続かない。ぐらついた歯が抜けたとき、奥山の中のトリガーが引かれた。2004年東京・下北沢で初演。翌年テアトロ新人戯曲賞を受賞した山田裕幸の初期の代表作。
白子ノ劇場で2018年にも上演した「トリガー」は、僕が2005年にテアトロ新人戯曲賞をいただいた作品です。あれからずいぶん月日が流れましたが、再演のたびに驚くほど世の中が変わっていないことに気づきます。何か大きな問題や事件が起こったとき、それを「社会のせいだ」というのは一見正しいのですが、じつは私たちもその「負のルーレット」を回した当事者の一人でもあるわけです。
助けを求め、どこにもいくあてのない人があなたの前に現れたときあなたは彼を救えるのか、どこかへ追いやり知らぬふりをする、そんな自分を許してくれる言葉が必要だっただけではないか、表向きは社会包摂を叫び続け、普段は一段高い丘の上に座っているだけではないのか、と思うのです。
個人の視線から今の世の中を俯瞰するのが演劇の強みです。遺憾なく発揮しようと思います。
cast
スタッフ
舞台監督:加藤えつこ
照明:福田恒子
音響:杉山国俊(sound office K)
音楽・演奏:ヤストミフルタ
舞台美術:ナギケイスケ
宣伝美術/イラストレーション:新出睦(ememデザイン室)
制作:鈴木桃子 河野悟
協力:静流 藤乃会 別府則子着付け教室
助成:芸術文化振興基金
主催:一般社団法人ユニークポイント
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